甘い恋じゃなかった。


「ありがとね、牛奥」


私の言葉に、牛奥が枝豆をつまむ手を止めて私を見た。


「あ?」

「好きって言ってくれて、嬉しかった」


すごく、すごくビックリしたけど。


「…おぉ」


少し気まずそうに、目を泳がせる牛奥。


「…ビビんなよ、小鳥遊」

「え?」

「姉ちゃんのこととか、色々あるかもだけど…逃げんじゃねーぞ!」

「…うん」



< 261 / 381 >

この作品をシェア

pagetop