甘い恋じゃなかった。



「桐原さん…い、行きましょうよ!店長もせっかくそう言ってくれてることですし!」


思い切って私も誘ってみたのだが、桐原さんは横目で私を見て渋い顔をすると、一言



「無理」



そう言い放った。ジ・エンドだ。

これで私の遊園地デートの夢は儚く散ってしまった…



「いや、大丈夫だよキララくん、一日くらい!」



しかし店長はいまだ食い下がる。


遊園地デートの希望の星、店長に私は熱い視線を送った。



「どうせこれからクリスマスに向けてどんどん忙しくなるよ?クリスマスが終わったらすぐバレンタインで、暫くは休みなんてなくなる。

だから今のうちに休んでおきなさい!」



「いや、でも…」



「これは師匠命令だから!」




ビシィ!と人差し指を突きつけそう言い放つ店長!



師匠命令の言葉に弱い桐原さんは、ぐ、と言葉に詰まった後。渋々、といった感じで



「…分かりました」



頷いた。



やったぁぁ〜!!




「ありがとうございます店長! !」


「いやいや可愛い娘と息子のためならノープロブレムさ!!」


「父と呼ばせて下さい!!」


「もちろんだ!娘よ!!」




この後、私と店長で熱い握手が交わされたのは言うまでもない。




こうして私は、桐原さんと遊園地デートに出かけることになった!!




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