甘い恋じゃなかった。



「僕は嫌だ!なぜなら美人がいた方が僕のモチベーションが上がるから!だから僕はキララくんの反対に反対する!」


「何を訳わからないこと言ってんですか。バカなんですか?」



おっと、思わぬ展開に桐原さんもだいぶ口が悪くなってきているようだー!



「俺一人で店回せるなら何の問題もないはずです。師匠のモチベーションの為に無駄な金を遣うなんて経営者失格です」


「なっ…!」



普段は見せない桐原さんの物言いにたじろく店長!ぐぬぬと言い負けたかのように見えたが。



「とにかく雇う!僕が雇うって言ったら雇う!なぜならここは僕の店だから!キララくん、これは師匠命令だから!」



う、と今度は桐原さんが言葉に詰まる番だった。師匠命令の言葉にことごとく弱い桐原さん。何も言い返すことは出来ず…



「…勝手にしてください」



投げやりにそう言って、厨房へ入っていった。


カンカンカン!と桐原さんKOの鐘が頭の中で鳴り響く。



「よしっ!じゃぁ詳しく話詰めていこうか。週にどのくらい出てこれる?」


「そうですね、えっと…」



隣では店長とお姉ちゃんがさっそく具体的な話を進め始めるし。



あー、もう…




私は倒れこむように椅子に腰をおろした。




一体なんなの、この展開!




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