甘い恋じゃなかった。
「…これからどうするつもりなの?」
マグカップを持ちテーブルを挟んで向かい合った私たち。
そう聞いてみると、お姉ちゃんは、んー、とマグカップに視線を落とした。
「とりあえずクリスマスまではこっちにいるよ。ミルフィーユのバイトはしっかりやる。その後のことは…決めてないけど」
「そっか」
クリスマスまで。
あと、一ヶ月弱。
「色々考えるとロクなことがないなって思ったの。だから今は、目の前のことをしっかりやる」
そう言うお姉ちゃんの口調は、まるで自分に言い聞かせているようだった。