俺様アイドル×変態ピアニスト
『今日桃ケ丘学園に入学された皆さん、入学おめでとうございます。ここでは他の学校と異なる刺激を沢山もらえることでしょう。ぜひ皆さんの夢に向かって活用してください。ではこの後の流れと寮制度における注意事項を・・」
(「なんだったんださっきの女・・・うちの制服着てたし入学式にでるってことは同い年・・・だよな。怖い・・こわすぎる。」)
バイクにいきなり乗り出したあの女は俺にありがとうと言うと、すたすたと自分の席に向かって歩いていった。俺はしばらく状況が整理できなくてその場に立ち尽くしてしまったが、時計をみると59分になっていて急いで自分の席に座った。
(「そういえばあいつ、俺の顔見ても驚かなかったな。なんでだ??」)
『つぎに、新入生代表のことば。白瀬 魅音さん。』
ざわっ
「あの子だれ?超かわいい~」
「肌白っ!ていうかスタイルよすぎじゃ?」
周りの生徒たちの視線を集めたのは新入生代表の女生徒だった。
(「壇上にいるあの女さっきの!?新入生代表って、嘘だろ・・・・」)
『えっと、おはようございますみなさん。さくらがまいちるきょうこのごろ。わたしたちは、この、ももがおかがくえんににゅうがくしました。これからがんばりましょう!』
(「・・・・・は??????」)
なんだあいつ、仮にもトップで入学した奴の挨拶じゃないだろ!!
『白瀬さん!ちゃんと台紙みて!挨拶の紙渡したでしょう?!』
舞台袖にいた進行役の先生が慌てて話しかける。
『あの紙今日来るときに落としちゃったんです。でも挨拶はばっちりです!』
『どこがばっちりなんですか!あなたは生徒代表としての責任感が足りません!ピアノ科唯一の奨学生だからと期待していたのですよ!!』
『まぁまぁそう怒らずに~。あ、せんせーのネクタイかわいいですね。』
『話を逸らさない!!!!』
体育館は妙な空気でいっぱいになった。
全校生徒の注目をあびる白瀬魅音。
彼女はとても変わっている。
(「ほんとなんなんだよあの女・・・・なんなんだこの入学式。」)