Dear My Friends
season.0
1番初めに教室に入るまで、君がそこに、いるんじゃないかって思った。

廊下に響くその声が、嘘みたいに似てたから。

逸る胸を抑えて足早に教室に入ったけど、やっぱりそこに、君はいなくて。

いないと分かっていても、変に落ち込んだ自分がいた。

君はいなかったんだ。

でもね、似てた。

短めの髪も、

少しつり目なところも、

笑い方も。

まるで君なんじゃないかと、錯覚してしまうくらい。



だからあたしはその日から、君を知りたくなった。

君に似た君を

知りたくなったんだ。
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