Dear My Friends
「そういうの、よくわかんないんだよね…」

「わかんない?」

「好きって気持ち、よくわかんない」

「なして?」

「じゃあ、サオはなんで、好きって自覚できるの?」

どこからが恋なのさ?
今のあたしの、『未知』。

今までだって恋をした。好きな人だっていた。
だけど、この気持ちを恋と呼ぶのは、なにか違う。

サオは目を細めて微笑んだ。

「その人でいっぱいになったらだわなぁ」

「いっぱい?」

「そ。毎日毎日、その人で頭が一杯」

サオは自分の言葉に相槌を打つと、身を乗り出した。

「あとは…胸キュンじゃよ」

そう真顔で言い放った。

胸…

「キュン…ぶっ」

思いもしない言葉を聞いて、あたしは吹き出した。

「胸キュンはちょっと…」

「何さー」

サオはムッと拗ねる。
それがまたかわいくて、ケラケラ笑ってしまった。

「じゃあさァ、誰かのことばっか、考えてまうとかは!?」

「…あるって言えばある…けど、恋じゃないよ」

「なして、恋じゃねかや?」

さぁ、と首を傾げた。
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