Dear My Friends
「好きって言えば、好きなんだろうけどね」

なんて言えばいいんだろう。よくわからない。

いや、わかるけどうまく説明できない。

間違いなく恋愛感情はなくて、それは確かだけど。
どう話せばいいのか分からないや。

『誰かのこと』

どうして恋じゃないか。その理由。

今のあたしに出せる、答え。

「キスしたいとかエッチしたいとか、思わないからかなぁ」

「はぁ!?」

一理あると思う。すべてがその理由じゃないけど。

「それは、恋じゃないでしょ?」

「そうだけど…」

「サオは…違うの?」

サオは顔を真っ赤に染めて、顔を伏せた。

言ったあとに思ったけど、あたしの価値観なら、

好きな人=キスしたい人
サオの好きな人=元太
元太=キスしたい人

きっとサオは、連想したんだ。

「…なぁ、お前ら食事中にどぎゃん話ししちょーかね?」

あたしたちの隣でお昼を食べていた元太が口を挟んだ。

「ん~…恋バナ?」

「ほーじゃねーて、どげ会話じゃよ、って話」

「そんな会話だよ」

サラリと返すと、サオと(元太と一緒にご飯を食べていた)翔くんが、ふふっと笑った。
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