Dear My Friends
「や、あのさぁ…」

こんなこと、やっぱり言えない。

「嘘でもえーけん何か言えや。このままじゃ気になって寝らせん」

そんなあたしに痺れを切らしたのか、元太は乱暴に体を起こした。

ホントのことはとてもじゃないけど、言いたくなかった。

そうだ。
こないだ雑誌の特集でやってたテーマ。

頭の隅に浮かんだだけ。

「お、男と女の友情ってあると思う?」

あたしの意味のあるようなないような質問に、元太は一瞬考えた顔をした。

「男と女? まず、ないね」

元太はしっかりと椅子に座り直すと、腕を前で軽く組んだ。

「…なんで?」

「根本的に違うけん。男と女は」

当たり前みたいに、元太は言う。
こうも当たり前のように言われると、なんだか癪に障る。

なぜか、今のあたしと元太の関係を否定されたようで、少しイラッとした。

「それは、あたしとゲンタは友だちじゃないってこと?」

「そぎゃんことないわね」

「じゃあ、どうして?」

元太は何も言わなくなった。
ただ、まっすぐこっちを見ていた。

なんだか気まずくて、また目を反らした。
2人の間の変な沈黙が、あたしの心をはやらせる。

「…ねえってば!」
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