Dear My Friends
season.2
季節は、夏も終わろうとしていたころ、秋の風と共にその知らせは飛び込んできた。

「サキ~…。ちょっと話しちょーことがあるんだけど」

サオがなぜか恥ずかしそうにモジモジと、柄にもなく乙女チックに話しかけてきた。

「なに?」

あたしの前の席にちょこんと座ると、ほんのりと緩んだ顔を伏せ気味に目をパタパタと瞬かせる。

「あのさ~なんかー…好きな人ができたんだわ?」

「え? ゲンタじゃないの?」

どことなくサオは気まずそうに、髪をクルクルといじった。

「ゲンタは…もう違うがや。ゲンタは、好いちょー子おるらしいけん」

「そーなんだ…」

明らかにいつもと様子の違うサオに、戸惑いつつも遠慮がちに話しかける。

「じゃあ、結構ショックだった…とか?」

「それが!」

サオはガタッと言葉とともに立ち上がると、ピースサインを突き出した。

「意外と大丈夫だったがな」

「え、なんで?」

「そこが問題だわ。サキちゃ~ん♪」

テンションが上がり気味のサオに、あたしは生返事しかできない。
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