Dear My Friends
サオに軽く手招きをされ、あたしは耳を傾ける。

「あんね、あたし、ショウ君、好きになっちょったの」

そのサオの囁きに、思わず勢いよく振り向いた。

「えっ! えええ? いつ? どこで? なんで!?」

「驚きすぎだがね」

あたしの興奮も冷め止まぬうちに、ヘラヘラと話すサオの話をまとめると、こうだ。

元太を見ていたら、当然仲のいい翔くんがいつも近くにいて、気づいた頃には元太と同じくらい翔くんも気になり始めた。

元太に好きな子がいるとわかった頃には、もう翔くんの方に心が傾いてて全然ショックじゃなかった。

らしい。

「スッキリしたらトイレ行きたくなったけん、行ってくるね~」

いつもどーりに戻ったサオは、足取りも軽そうに教室を出て行った。

あたしは机におでこを着ける。

元太の…好きな子。
元太に好きな子…?

胸の中に、何かがストンと落ちたような感覚がした。
そんな多少の違和感を感じつつも、さっきのサオの話から、このことだけが気になってしょうがない。

違う。違う。そんなはずない。
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