Dear My Friends
「じゃ、よろしくっ」

元太は急に、そう切り上げると翔くんを連れて翔くんの席へと行ってしまった。

あたしは急なその行動に戸惑った。

「は~。暑い暑い」

サオが手でパタパタと扇ぎながら、あたしの前に腰掛ける。

元太たちがここから離れたのは、サオが戻って来たからだ。

「…なんね、そぎゃんにやついて」

サオは訝しげにあたしを見る。
無意識ににやついていたらしい。一旦顔を戻してみたけど、すぐ緩むのがわかった。

「きしょいけん、顔戻して」

会話を割るように、チャイムが鳴ると、元太があたしの隣に戻ってきた。

「サオ。後で話したいことがあるけど、放課後残れる?」

「うん」

その返事を聞いて体を前に向き戻すと、隣の元太と目があって、2人して不気味に笑ってしまった。

「なんかや? さっきから」

サオが不服そうに声を漏らす。

「こいつと俺が仲良しなだけだがや。なー」

「なー」

不敵な笑みで、元太はあたしに同意を求めたから、あたしもおんなじように元太に返した。

「なによー。2人して」

サオは、少し頬を膨らました。
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