Dear My Friends
「間に合った!?」

そう言って教室のドアを開けた時、丁度『礼』が終わった後だった。

「残念だども、2人とも遅刻な」

肩で息をするあたしたちに、担任は天使のような笑顔でそう告げた。

「2人とも、お疲れサマ」

席に着くと、あたしの後ろでサオが涼しげな顔で座っている。

「サオのせいだからねっ」

やたらその顔が憎らしくて、あたしはサオに八つ当たってみた。

「ほーだ。時田のせいだけん」

元太もなぜか、サオにそう言った。

サオは、あたしと元太の顔を交互に見比べて、キョトンとしている。

「えっ、え? あたし、何もしちょらんがね」

サオはあたふたと顔の前で手を振っている。

そんなサオを見て、ほぼ同時にあたしと元太は吹き出した。

「えー? 何ー?」

サオは浮かない顔をして、またあたしと元太の顔を交互に見ていた。
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