Dear My Friends
season.3
浴衣を着た。
真っ赤な、白い花の咲く浴衣。

「サキっ、どっか変じゃない?」

「だから、大丈夫だってば」

さっきからサオは、あたしにおんなじことばっかり聞く。
待ち合わせ場所に近付くにつれて、その回数は多くなった気がした。

何度見ても、どこも気になるところなんてないのに。

紺色の紫色のスミレが映える、落ち着いた雰囲気の浴衣を着て、今日のサオはいつもより大人っぽく見える。

「サオ、か~わいっ!」

その浴衣とは対照的に落ち着きのないサオは、顔を赤らめた。

角を一つ曲がると、ちらほらと祭りに向かう人たちが見え始める。
あたしたちもその流れに流されるように歩き出す。

「は~…緊張」

「大丈夫だって」

「でも~」

そわそわと、やたらに周りを気にして、サオは落ち着かない。

待ち合わせ場所の、神社の鳥居が見えた。
まだ、元太たちは来ていないようだ。

緩く結わえた髪も、ほんのり化粧をした顔も、一層サオを引き立てているのに、入念に鏡で自分の姿を見て、本当に不安そうだ。
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