Dear My Friends
屋台のオレンジ色の灯りが、元太の顔を照らす。
屋台のお兄さんと何かを話す元太の顔は、どことなく赤い気がした。

屋台のお兄さんがあたしを指差す。元太はどこか焦って首を振っていた。
それを見てお兄さんは笑っている。

「お嬢ちゃん」

ふと横から声がした。
そこには焼きトウモロコシを焼いているお姉さんが、ニッコリ笑っていた。

「どう? 焼きトウモロコシ」

「いいです。食べにくいから…」

「あはは。つれへんな~」

お姉さんが少し寂しそうに笑うから、あたしはゴメンナサイと、軽く笑った。

「さっきの子、彼氏?」

あたしは頭を横に振る。
「なんかー。違うんかー」とお姉さんは肩を落とした。

「君関東の子?」

「え?」

「喋り方がお姉ちゃんと一緒だけん。東京に住みよるんだけど」

「そうですか…。最近、引っ越して来たんです」

「そっか」

トウモロコシのいい匂いがする。
屋台の中では白い煙がモクモクと立ちこめていた。

「ここ方言強いじゃろ? 君もいつか、ここの方言で話す時が来るんかね」

「でも、ここの難しいから…」
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