Dear My Friends
手を繋いで楽しそうに話す、サオと翔くん。

「…なかなか、うまくいってるみたいだねェ」

あたしは元太を見上げると、元太は目を細めて微笑んだ。

「…あれ? ねぇ…ゲンタ背伸びた?」

「は? なんかね。急に」

「えっと…あたしってこんなに見上げてたっけ? とか…思って」

訝しそうに、元太は顔をしかめる。

「いや…ホラ、もっとこう…」

あたしは自分の頭の高さで手を前後させる。
その高さはちょうど元太の肩ぐらい。

「4月から…特に伸びちょらん」

元太はあたしを見下ろし気味に答えた。

「うそ。だって、ゲンタの目の高さぐらいじゃなかった?」

「いや…。出会った頃から、お前はこんくらいだがや」

元太は自分の前に、肩ぐらいの高さを示した。

「…そう」

「うん、そう。お前の勘違いやろ?」

「勘違い…。ね」

あたしは妙にひとり、納得してしまった。

「うん。…そうだね」



違う。
元太じゃない。



少し遠くにいるサオと翔くんが、視界に戻った。

と言うより、戻した。
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