Dear My Friends
「なあ…。後、ついてってみるか?」

「ん。そーだね」

2人に気づかれないように、3メートルくらい後ろを歩く。

「あのさ…」

翔くんが立ち止まり、そっと話しを切り出したのがわかった。
あたしと元太は、2人の真後ろにある屋台の客に紛れ込む。

あたしはサオと翔くんの会話に、神経を集中させる。
そうすると、結構聞こえるものだ。

「そのー…俺、サオちゃんのこと好いちょーけん、付き合って欲しいんだわ」

あたしは思わず元太と手を離して、口を両手で覆った。

うそ…。告白だ。

後ろの様子が気になって、全神経を背後に注ぐ。

「あたし…」

微かに震えたサオの声。
あたしはゴクリと唾を飲んだ。

「あたしも…ショウ君、好いちょーけん」

やった!
言った。
言い切ったよあの2人。

ジーンと涙腺が刺激される。
鼻の奥が痛い。
あたしは高鳴る胸を落ち着かせるために、深呼吸をする。

「…もう俺らおる意味ないけん、帰っぞ」

「え、ちょっと待ってよ」

元太は踵を返して、裏の道を突き進む。

すぐ後を追いかけようとしたけど、このまま帰るなら一応断りを入れとかなきゃと思って、携帯を取り出した。
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