Dear My Friends
初めて元太を見た時は、胸が小さく疼いたのを覚えてる。
とてもとても、懐かしい人に会えた気がしたから。

似ていたんだ。元太は君に。
とても。

そう。元太じゃなかった。

「サオ…あたし、ゲンタに恋をしないようにしてたんじゃないよ。できなかったの」

「なして…?」

「あたしが見てたのは、ゲンタじゃないから」



いつだってそうだった。
あたしは元太を介して、君を見てた。



「よー…わからんよ?」

「うん…。あたしは何をやってたんだろうね」

少し息苦しくて、ズキンと掴んだとこが痛む。

あぁ…なんで、こんなに胸が苦しくなるまで、悲しくなるまで、元太を元太として、見てなかったんだろう。



どこからか笑い声が聞こえて、パタパタと廊下を歩く音がする。
そして、教室のドアが勢いよく開いた。

「サオー! 帰ろー」

満面の笑みでドアから顔を覗かせたのは、翔くんと元太だった。
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