Dear My Friends
「あれ? サキちゃんもおったんかね」
翔くんがニコニコしながら近づいてくる。
あたしはおもむろに鞄をつかみ、とっさに立ちあがった。
「あの…。ば、バイバイ。サオ、ショウくん!」
とてもその場にいれなくて、あたしはそそくさと逃げるように教室を出た。
「え!? サキっ!」
後ろの方でサオが呼ぶ声が聞こえたけど、あたしは振り返らなかった。
振り返れるわけがなかった。
…元太が、いたから。
何で元太もいるの?
サオに翔くん来るまで付き合ってって言われたけど、なんで元太も来るの?
なんでよ。
どうして…。
人気のない廊下を、早く逃げ出したい一心で突き進む。
無我夢中で、走り抜けた。
「あ、れ?」
あたしは足を止めた。
それ以上先がなかったから。
目の前には立ち入り禁止の札。
小窓から見える一面のコンクリート。
頭で理解するのにだいぶ時間がかかった。
無意識のせいで、下りるはずの階段を上っていたらしい。
あたしがたどり着いたのは、学校の屋上だった。
翔くんがニコニコしながら近づいてくる。
あたしはおもむろに鞄をつかみ、とっさに立ちあがった。
「あの…。ば、バイバイ。サオ、ショウくん!」
とてもその場にいれなくて、あたしはそそくさと逃げるように教室を出た。
「え!? サキっ!」
後ろの方でサオが呼ぶ声が聞こえたけど、あたしは振り返らなかった。
振り返れるわけがなかった。
…元太が、いたから。
何で元太もいるの?
サオに翔くん来るまで付き合ってって言われたけど、なんで元太も来るの?
なんでよ。
どうして…。
人気のない廊下を、早く逃げ出したい一心で突き進む。
無我夢中で、走り抜けた。
「あ、れ?」
あたしは足を止めた。
それ以上先がなかったから。
目の前には立ち入り禁止の札。
小窓から見える一面のコンクリート。
頭で理解するのにだいぶ時間がかかった。
無意識のせいで、下りるはずの階段を上っていたらしい。
あたしがたどり着いたのは、学校の屋上だった。