Dear My Friends
「地獄みたいだった。あの日。ホントに、世界が崩れてくみたいだった…。ほら、恋はハマったもん負けって言うじゃん?」



『ねぇ…。ひとりでいたくないよ…』



「あたしの幼なじみね、彼女がいたんだ。すごくいい子で、可愛い子なんだけどさ。でも、つい頼っちゃって、電話を掛けたの」



あの日は、寂しくて誰かに傍にいてほしかった。

泣きそうになりながら電話をしたら、君は家に来てくれると言った。



「あたしは、なかなか立ち直れなくて…。そんなあたしを助けてくれたの。救い出してくれたの。大げさかもしれないけど、ホントにそう思った」



『いつまでも落ち込んでんなよ』

君はあたしに説教したの。

『お前の人生恋だけか?』

なんでこいつにこんなこと言われなきゃならないんだ。って思ったけど。

『咲の周りには、俺だって、友だちだっているだろ?』

君の言葉が心に直接ぶつかった。
あたしは、前を向かなきゃならないって気づかせてくれたの。



「ああ、こいつ。いいヤツだなあ。こいつと幼なじみでよかったなあって」
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