Dear My Friends
「昨日、思い知ったがね」

「…何を?」

「お前の前におるんは、俺じゃねってこと」

温かかった。
元太の隣が。

「だってお前、否定しんけんなあ」

そのこそばゆさに、口元が緩んだ。

「俺、虚しくなったがね。何やっちょーって」

「うん」

「はぁ? 『うん』だねーじゃろ」

こっちを向いた元太は、眉間にしわを寄せていかにも不機嫌そう。

だけど、元太の顔を見たら自然に頬が緩む。
自分の顔があまりにも緩みっぱなしだから、俯いてみた。
それでも、まだ止まらない。

「お前、何にやついちょるん…」

「にやついてないもん」



知りたい?
最大の原因は元太が横にいることだよ。

もう大丈夫。
あたしは元太に向き合える。
君抜きの元太。

あたしが好きなのは、
誰でもない元太なんだ。
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