Dear My Friends
気が付けばもう、クリスマスを目前に控えている。
町はクリスマスムードに彩られ、電飾の付いた家も目に止まるようになってきていた。

「『クリスマスやろう』って…何やるの?」

「へっへーん。はい! コレです! じゃじゃーん」

サオは得意気に笑うと、奇妙な効果音に合わせて、一枚の紙をあたしの前に掲げた。

「…『クリスマスパーティー』
 招待状
 皆瀬 咲さま
 場所は青山 翔 宅
 日時は12/24PM3:00より…」

ルーズリーフにカラーペンで書いただけという、明らかに即席な、その『招待状』。

「なにコレ」

「え? 招待状?」

キョトンとした顔で、サオが首を傾げた。

「や…そうじゃなくて」

「楽しいわな! きっと。ショウと前々から計画しよったのっ」

サオがニッと歯を見せて笑った。

「や…。2人邪魔したら悪いし」

「えー!? だってサキがおらんかったらつまらーん」

サオはブスッと顔を膨らませて、駄々をこねる。

「それに」

あたしの前にとびきりの笑顔をひとつ作ってみせると、ルンと声を弾ませた。

「ゲンタもおるしっ」
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