Dear My Friends
「…。…ねぇ」

ピクリとも動かない元太に声をかけたけど、2、3秒たっても返事が返ってこなかったから、寝ているんだと思って席についた。

「なんかね?」

元太はだるそうに体を起こした。

「や。…別に」

ただなんとなく、声をかけたくなったから。
なんて言えるはずもなくて、あたしは顔の前で手を振った。

そのまま向き合ったまま、沈黙が続く。
その気まずさが、あたしはどうもいやで、無言のまま前を向いた。

「お前も来んの?」

沈黙を破ったのは元太。

「え?」

「クリスマス」

後ろに体重をかけながら、元太はこっちを向いている。

「あ…うん。いちお…」

「ふーん」と元太が言ったのと同時に始業のチャイムが鳴ったのを、あたしはなぜか遠くに聞いていた。
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