Dear My Friends
「誰がどげ見よったって、好き同士なんだけどなぁ?」

サオはもう一度ジュースを飲みながら、平然と言う。

顔が熱い。耳の後ろまで。

「あはは。サキ顔真っ赤」

「えっ!?」

サオがケラケラ笑うから、なんだかとても恥ずかしくなって、慌てて顔を手で覆った。

これじゃまるで、いつかの翔くんだ。

「サキちゃーん! ちょっと来て~」

2階の部屋から、翔くんの声がする。

「何~?ショウ君」

あたしはなるべく、大きな声で返事をする。

「えーけん、早くー!」

まるで何か起こったみたいに言うから、あたしとサオは翔くんに急かされるまま、階段を上った。

「何?」

ドアを開けると、翔くんが部屋の真ん中であぐらをかいて座っている。

「サオたちが話し込むけん、悪いんよ」

ちょっと拗ねたようにそう言って、ベッドに寝ている元太を指差した。

「ゲンタ…寝ちゃったの?」

「酒弱いけんな…」

翔くんは肩からで息を吐き、くるっと向きを変えて振り返ると、不気味な笑顔を見せた。

「そんで、悪いんだけど、サキちゃん。こいちゃのめんどう、みよって」

それもなぜか楽しそうに、元太を指差しながら。
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