Dear My Friends
「…え? なんで?」

「サキちゃん、今日は何の日か知っちょー?」

意味深な笑顔のまま、翔くんはあたしの肩に手をおく。

「ク、クリスマス…?」

「ほーだ! クリスマス! 恋人たちのク・リ・ス・マ・ス」

口を『す』の形のまま、あたしを指差した。

「はあ…」

あたしはため息にも近い生返事をすると、ポンポンと2回肩を叩かれた。

「この後サオと出かけるけん」

「え!?」

サオに目をやると、あたしの視線に気づいたらしく、満面の笑みでピースをした。

「じゃ、そげことで留守番お願い」

「ごめんな~。サキ~」

そう言ってサオと翔くんは、仲よく手を繋ぎながら出ていってしまった。



ちょっと…。
それなら、2人で最初からクリスマス一緒に過ごせばよかったんじゃ…。



あたしはポカンと、立ち尽くしたまま、元太と部屋に残されてしまった。



めんどうみといてって言われても、どうすればいいのさ?

…気まずい。
気まずすぎる。



元太がスースーと、寝息をたてていて、そんな元太をあたしはただジッと見つめていた。
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