Dear My Friends
「…ヤだよ」

元太の顔を見つめながら言った。

「嫌いになっちゃ、嫌だからね?」

「ん…」

ぴくんと元太の睫が揺れ、元太は小さく息を漏らすと、うっすらと目を開けた。

だから、まだ眠たそうな元太と、目が合った。

ドキン、と胸が大きく弾む。



どうしよう…。
目、合っちゃった…。



あたしは元太の次の行動を待った。
というより、何もできなかった。

「ん~…。あれ~?」

間の抜けた元太の声。
元太は、いつもの元太じゃなかった。

「サキちゃんじゃあ~♪」

ニカッと元太が笑う。

「…え!?」

『サキちゃん』!?

次の瞬間、元太はガバッと起き上がるなり、あたしをじーっと見つめる。

思わず息をのんだ。

「な、なに?」

「ねー、俺、サキちゃんに話あるー」

まるでいつもと口調が違う元太。
そういえばさっき、翔くんが『酒は弱い』って言っていた。

あたしは戸惑いながらも話を続ける。

「話?」

「うん。話」

それきり、元太はこっちを向いたまま、急に何も言わなくなった。



この酔っぱらい。
もう、どうしたらいいのかわからない。
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