Dear My Friends
「なあ」

打って変わって、元太がいつもの口調で口を開いた。

どれだけの時間が過ぎてたんだろう。

5分…それとも1分。
もしかしたら、それ以下かも。

長いようで短い静寂の中。

「もし俺が、おらんくなったら、寂しい?」

そんなことを聞いてきた。

「…そ、そんなの、いなくなってみなきゃ、わかんない」

最後の『わかんない』はもう、ほとんど言葉にならなかった。

その質問があまりにも唐突すぎて、よく分からないままだったから。



嘘。
寂しい。
寂しいに決まってる。

あんな態度とられただけで、あんなにも寂しかったのに、寂しくないわけないじゃん。



「そっか…」

寂しそうに、元太が笑った。

あたしと元太の距離はホントにすぐそこで、手を伸ばせば確実に届く距離。
なのに、元太の言葉がすごく遠くから聞こえた気がした。

「俺…おらんくなるんだわ」

その声は、今まであたしが聞いたことがないくらい、元太の小さくてかすれた声。

虚ろな、だけどあたしを見据える元太の目は、どこか寂しげで、目を逸らすことができない。
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