Dear My Friends
「そんなの…、嫌だよ…」

心がキシキシと、軋む音を鳴らしているみたい。

「やだやだやだ…」

あたしはブンブンと頭を横に振った。

胸が苦しくて、悲しくて、目がジンと熱くなる。

言葉が出てこない。

言いたいことは、いくらだってあるはずなのに。
頭を横に降ることしかできない。

視界に何かが入ったのはわかった。
上に締め上げられるみたいに、体が少し浮いた気がしたんだ。

「いなくならないでよ…。ゲンタ」

その言葉を言い終わる前に、あたしは元太に抱きしめられてた。

いつもなら見える元太の顔は見えなくて、目に付いたのは、元太の耳から後ろ。
息の仕方を忘れたみたいに、あたしの呼吸は止まってた。

「俺だって嫌だが…。誰にも会えんくなるけん。ショウにも、お前にも。…ずっと、ここにおりてぇよ」

消え入りそうな小さな声でそう言うと、元太はギュッと、力を入れた。

元太小さく震えているような気がして、あたしはそっと、元太の背中をさする。

ただ怖くて、悲しくて、ギュッと強く目を瞑った。
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