Dear My Friends
バタバタと階段を上る音がして、次の瞬間ドアが開いたかと思えば、元気よくサオが部屋に入ってきた。

「サキちゃんただいま~」

ホッペを赤く染めたサオがニコニコと、翔くんと手を繋いでいる。

「おかえり」

「あれ? まだ元太寝ちょるん?」

「え~! せっかく2人きりにしよったのに意味ないがね」

翔くんがあたしの少し後ろに視線を移すと、サオは不満いっぱいの顔をムスッと膨らました。

「…は? え?」

「計画台無し~」

サオはガックリ肩を落とした。
あたしは事の次第を理解すると、また自分の顔が火照るのがわかる。

「も~!」

その顔を隠すように床に倒れ込んだら、サオと翔くんの笑い声が部屋に響いた。

「ほら、お前も起きろっ」

翔くんが容赦なくと元太をベシッと叩くと、元太はすごくビックリしたように飛び上がって、周りを見渡した。

「は? 何?」

「お前、なんねその顔っ」

「あははっ! ゲンタ最高~」

それに翔くんとサオは爆笑。
あたしもこらえきれなくて、声をあげて笑ってしまった。

「え? なんかや」

ひとり状況を掴めていない元太だけが、キョトンとしたまま笑みを浮かべてた。
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