Dear My Friends
ねぇ、元太。
どこに行くかも連絡先も、何も聞かないよ。

何も聞けないあたしは、弱虫なのかな?

でもこれは、あたしなりのケジメなの。



ねぇ、元太。
例え世界で2番目だったとしても、あんたはやっぱり、あたしの中で1番だったよ。

男として、ダントツに、最高に、いい男だった。



君が、大好きだよ。



元太はそっと、小指を絡ませた。

その小指がとても暖かくて、胸がギュッと寒さに掴まれたみたいだった。

「ありがとう」

その元太の言葉は、はっきりと、でも確かに震えていた。



小指がそっと離れ、風が運ぶ枯れ葉がカラカラと音を鳴らす。

元太は誰かに言い聞かすように、伏し目がちに言った。

「どっかの誰かと違って、永遠の別れじゃねーけんな」

「うん。違う…」

だから。

「また、きっと会えるよ」



別れじゃない。
別れじゃない。
別れじゃない。



元太が目線を上げる。

「だけん、笑え!」



いくらでも笑える。
口角を上げて、目を細めて。

いくらでも、君が笑えと言うなら。
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