Dear My Friends
絡まってばかりだった、君との恋。

言葉ひとつ、ただそれだけを、君もあたしも伝えなかった。

あたしは、照れ屋で、強がりで、優しくて、そんな元太が大好きだよ。

…大好きだったんだよ。



「サオ…帰ろっか」

「うん」



まだ寒い、この季節。

サオはずっと、あたしと手を繋いで歩いてくれた。

手袋をしていないあたしたちの手は冷えていた。
だけど、その微妙な温かさが、その優しさが妙にこそばゆくて、顔がほころんだ。

なぜかとても、心が温かかった。



「サオ」

「んー?」



こんな言葉、今日じゃなかったら言えないかもしれない。



「ありがとう」

サオはとても自然に、嬉しそうに笑みをこぼした。
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