Dear My Friends
何気なく視線を左に移すと、夏の暑い教室の窓は開け放たれていて、そこから湿った風が入ってくる。

蝉の声。緑の木々。
窓からの景色は、いつもと変わらない。

視線を上へと移すと、青い空には白い入道雲がドンと構えている。

お前さ、と隣に座っている元太が口を開いた。

「外ばっか見よって、楽しいかや?」

授業中、あたしは外を見ることが多い。
特に理由は分からないけど。

「よく、わかんないけど…」

小さい頃からよく、空を見上げる。
青空も、夕焼け空も、星空も、曇空も、雨空も。

空を見ると、『地球は丸い』そう思えた時もある。

気がつけばいつも、空を見上げていた。
その意味なんて、…知らない。

「清々しい気持になるからじゃない?」

「俺に聞くなや?」

「わかんないんだもん」

ふーん、と興味もなさそうに、元太は前を向きなおした。

そんな興味ないなら、聞かなきゃいいのに。
なんだよ、もぅ。
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