何度でもあなたをつかまえる
東出は、低く唸った。
……ヘル・クルーゲも……まあ、確かに、昔から男の趣味は共通していたな。
2人とも綺麗で生意気で優秀な男が好きで……
「……すまん。色香に理性が吹っ飛んだ。」
東出はばつが悪そうにそう謝った。
かほりは、目を閉じて首を横に振った。
「いつものことです。女性だけじゃなくて、同性愛に寛容な男性も……みんな、雅人に惹かれます。……執着せず、後日、雅人に親身になってくださるかたには……むしろ共感いたしますし、感謝すら覚えます。」
そこまで言って、ハッとしたようにつぶやいた。
「もしや……兄も……」
「兄?……かほりさんの?実のお兄さん?……お兄さん、男が好きなヒト?」
キラリと、東出の目が輝いた気がする。
もしかして、兄に対して、興味を持ったのだろうか……。
かほりは首を傾げつつ、東出の反応を洞察した。
「一応、女性と結婚しましたが……離婚いたしました。」
「へえ。」
東出の目がキラキラしている。
かほりは気づいていなかった。
東出は、男にも女にも惚れっぽい。
雅人のことも気に入っているが、実は、かほりのこともかなり気に入っているのだ。
むろん、かほりは雅人以外の男にも女にも興味がない。
さすがの東出も、かほりのことはそばで見守るに留めるつもりだったのだが……兄の存在は……うれしい誤算かもしれない。
「かほりさんに似てるなら、いずれお目にかかりたいものだ。挨拶させていただこう。
下心見え見えではあるものの、嫌な気はしなかった。
「では日本へ帰国される折に。父も一度東出さんにお会いしてご挨拶したいと申しておりました。」
そう言ってから、慌ててかほりは付け加えた。
「父は男性に興味ありませんから。」
「……イチイチそんなこと言わなくていい。……私はあいつよりは理性的だ。」
東出は気恥ずかしそうにそう言った。
力なく、かほりはうなずいた。
そして、息をついた。
「……幾人か……過分なお小遣いをくれる年輩の女性もいたわ。……ホノルル空港の年嵩の女性は……雅人を経済的に支えているのかもしれません。」
なるほど!
東出は、無意識に納得してうなずいていた。
「つまり、あいつはヒモになって食いつないでいるのか……。一言、俺に言えば、いくらでも贅沢させてやるのに。」
思わず、かほりは東出を睨んだ。
……ヘル・クルーゲも……まあ、確かに、昔から男の趣味は共通していたな。
2人とも綺麗で生意気で優秀な男が好きで……
「……すまん。色香に理性が吹っ飛んだ。」
東出はばつが悪そうにそう謝った。
かほりは、目を閉じて首を横に振った。
「いつものことです。女性だけじゃなくて、同性愛に寛容な男性も……みんな、雅人に惹かれます。……執着せず、後日、雅人に親身になってくださるかたには……むしろ共感いたしますし、感謝すら覚えます。」
そこまで言って、ハッとしたようにつぶやいた。
「もしや……兄も……」
「兄?……かほりさんの?実のお兄さん?……お兄さん、男が好きなヒト?」
キラリと、東出の目が輝いた気がする。
もしかして、兄に対して、興味を持ったのだろうか……。
かほりは首を傾げつつ、東出の反応を洞察した。
「一応、女性と結婚しましたが……離婚いたしました。」
「へえ。」
東出の目がキラキラしている。
かほりは気づいていなかった。
東出は、男にも女にも惚れっぽい。
雅人のことも気に入っているが、実は、かほりのこともかなり気に入っているのだ。
むろん、かほりは雅人以外の男にも女にも興味がない。
さすがの東出も、かほりのことはそばで見守るに留めるつもりだったのだが……兄の存在は……うれしい誤算かもしれない。
「かほりさんに似てるなら、いずれお目にかかりたいものだ。挨拶させていただこう。
下心見え見えではあるものの、嫌な気はしなかった。
「では日本へ帰国される折に。父も一度東出さんにお会いしてご挨拶したいと申しておりました。」
そう言ってから、慌ててかほりは付け加えた。
「父は男性に興味ありませんから。」
「……イチイチそんなこと言わなくていい。……私はあいつよりは理性的だ。」
東出は気恥ずかしそうにそう言った。
力なく、かほりはうなずいた。
そして、息をついた。
「……幾人か……過分なお小遣いをくれる年輩の女性もいたわ。……ホノルル空港の年嵩の女性は……雅人を経済的に支えているのかもしれません。」
なるほど!
東出は、無意識に納得してうなずいていた。
「つまり、あいつはヒモになって食いつないでいるのか……。一言、俺に言えば、いくらでも贅沢させてやるのに。」
思わず、かほりは東出を睨んだ。