何度でもあなたをつかまえる
やっぱり、あれかな。
かほりがあの男と同じ事務所と契約したのは……そういうことだったのかな。
……はは。
俺、何回、かほりに失恋するんだろ。
てか、あいつらもさ……何回、くっついたり離れたりやってんだろう。
さっさと再婚しちまえばいいのに……できないのは、やっぱり……娘の気持ちを考えのことなんやろうなあ。
「……オヤジと、話した?」
空にそう聞かれて、ゐねは黙りこくってしまった。
……何か、言われたかな?
答えたくなさそうなので、空は質問を変えた。
「まあ、ええわ。他には?何かあったんやろ?……彼氏が浮気した?それとも、いっちゃんの浮気がバレた?」
ゐねは、キッと空を睨んだ。
「ほんっと、イケズ!」
そう言って、ゐねはポカポカと空の胸を叩いた。
「あはは。かんにん。ちょ!けっこう痛いから、それ。」
空の腰が引けてるのを見て、ゐねはやっと叩くのをやめた……が、そのまま空の胸に顔を押し付けた。
……しまった……。
また、掴まってしもた……。
「いっちゃん。……人が来たらまずいから。」
「……ママ、再婚、考えてる人がいるみたい。」
空の気持ちを無視して、ゐねはそんなことを言った。
再婚……。
それって……どう考えても……あの男だよな。
「そっか。……まあ、それが自然……なのかな。……いっちゃん、反対せんときや。もう。」
「しないわよ。むしろ応援する。どんなヒトでも、あの男より断然いいもん。……ざまぁ見ろ……って感じ。」
ゐねの言葉に、空は首を傾げた。
「……かほりが再婚するなら、相手は尾崎雅人しかあり得へん思うで?」
「はあっ!?」
ゐねが目を三角にして、空を見上げた。
……美人は怒っても泣いても美人やなあ。
しみじみそんなことを感じながら、空はゐねを引き剥がした。
むくれてるゐねに、空は苦笑して見せた。
「ほら、その顔。……たぶん、よりを戻してからだいぶ長い思うで。あの2人。……かわいそうに、いっちゃんがいつまでもそんなんやから、再婚できひんし、隠れてコソコソせなあなんのやろ。」
「再婚?……やっと、その気になったのか。……で、お前らは……結婚でもするのか?」
低い声。
この家の主、東出龍爾その人が、いつの間にか戸口に立っていた。
かほりがあの男と同じ事務所と契約したのは……そういうことだったのかな。
……はは。
俺、何回、かほりに失恋するんだろ。
てか、あいつらもさ……何回、くっついたり離れたりやってんだろう。
さっさと再婚しちまえばいいのに……できないのは、やっぱり……娘の気持ちを考えのことなんやろうなあ。
「……オヤジと、話した?」
空にそう聞かれて、ゐねは黙りこくってしまった。
……何か、言われたかな?
答えたくなさそうなので、空は質問を変えた。
「まあ、ええわ。他には?何かあったんやろ?……彼氏が浮気した?それとも、いっちゃんの浮気がバレた?」
ゐねは、キッと空を睨んだ。
「ほんっと、イケズ!」
そう言って、ゐねはポカポカと空の胸を叩いた。
「あはは。かんにん。ちょ!けっこう痛いから、それ。」
空の腰が引けてるのを見て、ゐねはやっと叩くのをやめた……が、そのまま空の胸に顔を押し付けた。
……しまった……。
また、掴まってしもた……。
「いっちゃん。……人が来たらまずいから。」
「……ママ、再婚、考えてる人がいるみたい。」
空の気持ちを無視して、ゐねはそんなことを言った。
再婚……。
それって……どう考えても……あの男だよな。
「そっか。……まあ、それが自然……なのかな。……いっちゃん、反対せんときや。もう。」
「しないわよ。むしろ応援する。どんなヒトでも、あの男より断然いいもん。……ざまぁ見ろ……って感じ。」
ゐねの言葉に、空は首を傾げた。
「……かほりが再婚するなら、相手は尾崎雅人しかあり得へん思うで?」
「はあっ!?」
ゐねが目を三角にして、空を見上げた。
……美人は怒っても泣いても美人やなあ。
しみじみそんなことを感じながら、空はゐねを引き剥がした。
むくれてるゐねに、空は苦笑して見せた。
「ほら、その顔。……たぶん、よりを戻してからだいぶ長い思うで。あの2人。……かわいそうに、いっちゃんがいつまでもそんなんやから、再婚できひんし、隠れてコソコソせなあなんのやろ。」
「再婚?……やっと、その気になったのか。……で、お前らは……結婚でもするのか?」
低い声。
この家の主、東出龍爾その人が、いつの間にか戸口に立っていた。