星天リフレクション
「うん、好きだよ」
もちろん私の正直な気持ち。とりあえず早く答えなければいけないと思ったし、ちゃんと正直に答えないと俊也君は納得してくれないと思ったから。
ここに貴一がいないとはいえ、自分の気持ちを言ってしまうなんて恥ずかしい。内緒にしてて、と付け加えるのを忘れたけれど俊也君は他の人に話したりしないはず。
だけど、どうして俊也君はそんなことを聞くのかわからない。
「俊也君は? 好きな人いるの?」
花火の音が途切れたところで問いかけた。
実はなんとなく答えは想像できている。
きっと水泳部のマネージャーの渚ちゃんだと思う。
今までに何度か練習を覗いたことがあるけれど、渚ちゃんと俊也君が話しているのを見ていたらすごくいい雰囲気。お互いに好意を抱いているんだと思えたから。
答えを期待しながら俊也君の顔を見上げた。
「うん、いるよ」
やっぱり、思った通り。
ところが言ったきり。俊也君は渚ちゃんの名前をなかなか言い出さない。