星天リフレクション
口に出すのが恥ずかしいのかな?
と思ったら、俊也君は再び私の腕を掴んだ。
ぐいっと力いっぱい引き寄せられて私は俊也君の腕の中へ、すっぽり収まってしまって花火の音が聴こえなくなる。
「俊也君、何? 離してよ」
いったい何がしたいのか訳がわからない。
ただ、胸がざわついて怖い。
腕を解いて早く抜け出そうとするけれど、俊也君の腕の力は強くて動くことができない。逆にお互いの汗ばんだ腕が絡まって動きが鈍る。
俊也君の胸に押し付けられた頬から聴こえてきた鼓動はずいぶん速い。
「和田さんが好きなんだ」
鼓動に覆い被さるように声が響いた。
きっと私のことをからかってる。悪い冗談か、それとも誰かの仕組んだドッキリ企画か、私を驚かそうとしているに違いない。
この公園のどこかに潜んで、私が動揺するのを見て笑っているんだ。
確かめようと腕の隙間を潜って顔を上げた。