溶ける部屋
☆☆☆

その後、伶香が先に入ったけれど郁美と同じでほとんど思い出すことはなかったようだ。


3分という時間が短いのかもしれない。


けれど、弘明のことを考えるとその時間を変える事もできなかった。


「気を付けて行って来いよ」


健があたしの手を握りしめる。


「うん。3分したら出て来るから大丈夫だよ」


あたしは健の手を握り返して、そして1人で部屋の中へと足を踏み入れたのだった。
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