溶ける部屋
あたしたちは手分けをして部屋の中を探してみたけれど、この建物から出るために必要だと思えるものは何もなかった。
「せっかく部屋に入れたのに、なにもないじゃん!!」
伶香がイライラしたように声を荒くした。
「怒っても仕方がないよ。とにかく部屋に入る事はできたし、暗証番号からマミちゃんが絡んでいる事はわかったんだし」
あたしが伶香をなだめるためにそう言っている時だった。
真っ暗だったテレビに突然電源が入ったのだ。
ハッとして口を閉じ、画面を見つめる。
画面に流れているのは、あたしたちが通っていた小学校の校門だった。
「なに、この映像……」
伶香が呟く。
その時あたしは学校の付近に監視カメラがあった事を思い出していた。
これはきっと、その映像だ。
あたしたち5人はその場に立ち尽くしたまま、映像に釘付けになっていた。
画面の右下に出ている日付は19年の7月12日になっている。
マミちゃんがいなくなる前日だ。
「せっかく部屋に入れたのに、なにもないじゃん!!」
伶香がイライラしたように声を荒くした。
「怒っても仕方がないよ。とにかく部屋に入る事はできたし、暗証番号からマミちゃんが絡んでいる事はわかったんだし」
あたしが伶香をなだめるためにそう言っている時だった。
真っ暗だったテレビに突然電源が入ったのだ。
ハッとして口を閉じ、画面を見つめる。
画面に流れているのは、あたしたちが通っていた小学校の校門だった。
「なに、この映像……」
伶香が呟く。
その時あたしは学校の付近に監視カメラがあった事を思い出していた。
これはきっと、その映像だ。
あたしたち5人はその場に立ち尽くしたまま、映像に釘付けになっていた。
画面の右下に出ている日付は19年の7月12日になっている。
マミちゃんがいなくなる前日だ。