溶ける部屋
☆☆☆
いつの間にか朝がやってきていた。
物音が聞こえてきてあたしは目を覚ました。
健も目を開ける。
「今の音、なに?」
「さぁ……?」
健が欠伸をしてそう言った時、大きな声が聞こえて来た。
伶香の喘ぎ声だ。
その声に驚きあたしと健は同時にベッドから起きだしていた。
弘明と伶香は恋人同士だ。
そういう関係になっても不自然じゃない。
建物から出られないと分かった今、お互いを必死で求め合う気持ちも理解できる。
だけど、あまりにも大きなその声には違和感があった。
普通じゃない。
伶香の声に混ざって弘明の息遣いまで聞こえてきている。
部屋を出たあたしたちだったが、声が聞こえる方のドアを見て足を止めた。
それは突き当りのあの部屋から聞こえてきているのだ。
「嘘だろ!?」
立ちどまっていた健が弾かれたように走りだす。
あたしも慌ててその後を追いかけた。
いつの間にか朝がやってきていた。
物音が聞こえてきてあたしは目を覚ました。
健も目を開ける。
「今の音、なに?」
「さぁ……?」
健が欠伸をしてそう言った時、大きな声が聞こえて来た。
伶香の喘ぎ声だ。
その声に驚きあたしと健は同時にベッドから起きだしていた。
弘明と伶香は恋人同士だ。
そういう関係になっても不自然じゃない。
建物から出られないと分かった今、お互いを必死で求め合う気持ちも理解できる。
だけど、あまりにも大きなその声には違和感があった。
普通じゃない。
伶香の声に混ざって弘明の息遣いまで聞こえてきている。
部屋を出たあたしたちだったが、声が聞こえる方のドアを見て足を止めた。
それは突き当りのあの部屋から聞こえてきているのだ。
「嘘だろ!?」
立ちどまっていた健が弾かれたように走りだす。
あたしも慌ててその後を追いかけた。