溶ける部屋
お父さん
あたしと健は2人で手を繋ぎ、突き当りの部屋へ向かった。
この中に伶香と弘明の溶けた体があると思うと少し足がすくんだけれど、できるだけ見ないようにして足を踏み入れた。
そして入った瞬間に、今までとの違いを感じ取っていた。
「ホコリが……」
あたしが呟く。
「本当だ、なくなってる」
空中を漂っていた無数のホコリが、今は1つもないのだ。
部屋の中の空気を吸い込んでも、懐かしさを感じない。
すべてが終わった。
そう理解させられた。
部屋の隅には今までなかった階段が下りてきていて、それは屋上へと続いていた。
「郁美の体は……」
階段を上がる途中、あたしはそう言った。
「今はやめよう。とにかく助かる事を考えよう」
健がそう言い、あたしを促す。
あたしは頷き屋上へと続く階段を上った。
この中に伶香と弘明の溶けた体があると思うと少し足がすくんだけれど、できるだけ見ないようにして足を踏み入れた。
そして入った瞬間に、今までとの違いを感じ取っていた。
「ホコリが……」
あたしが呟く。
「本当だ、なくなってる」
空中を漂っていた無数のホコリが、今は1つもないのだ。
部屋の中の空気を吸い込んでも、懐かしさを感じない。
すべてが終わった。
そう理解させられた。
部屋の隅には今までなかった階段が下りてきていて、それは屋上へと続いていた。
「郁美の体は……」
階段を上がる途中、あたしはそう言った。
「今はやめよう。とにかく助かる事を考えよう」
健がそう言い、あたしを促す。
あたしは頷き屋上へと続く階段を上った。