短篇集
願い事
「いい加減、出て行ってくれよ」
「お前の魂を回収するまで出て行かないぞ、なんたって、俺は悪魔だからな」
我が家に悪魔がやってきた。
「それより、願い事は決まったのか?」
「叶える力もないくせに」
「あるぞ、俺は悪魔だからな。」
「あくまでも悪魔だと言い張るんだな」
「それ、ギャグか?つまらないぞ」
はあ、悪魔はため息をついた。
ため息をつきたいのはこちらだというのに。
悪魔が言うには、僕が死ぬ時に肉体から解き放たれた魂を、悪魔にくれてやるのなら、願い事を何でも一つ、叶えてくれるのだそうだ。
だから頻繁に聞いてくる。『願い事は決まったのか』
そうだな、強いて言うならば、『いきなり上がり込んできて人の家に居座る、悪魔を名乗る不審者に早くでて行ってほしい』かな。
うん、こいつはなかなか良い願い事じゃないか。
だから、そのまま悪魔に伝えてみた。
すると、悪魔は言った
「それは、本当に、お前が一番叶えたい願い事なんだな?」
そして、じぃっと僕の目を見つめてきた。
だから僕は言ってやった。
「そうだよ。なんたってここは、僕の家だ」
じぃ、悪魔は僕を見つめてくる。
だから、僕も負けじと悪魔を見つめ返す。
「嘘だな」
悪魔は言った。
「一度っきりのチャンスなんだ、もっとよく考えろよ。」
そして立ち上がると台所へ向かって行った。
「オイ、腹が減ったからカップ麺もらうぞ」
「いい加減にしてくれよ」
はあ、今度こそ僕は、悪魔より先にため息をついた。
「お前の魂を回収するまで出て行かないぞ、なんたって、俺は悪魔だからな」
我が家に悪魔がやってきた。
「それより、願い事は決まったのか?」
「叶える力もないくせに」
「あるぞ、俺は悪魔だからな。」
「あくまでも悪魔だと言い張るんだな」
「それ、ギャグか?つまらないぞ」
はあ、悪魔はため息をついた。
ため息をつきたいのはこちらだというのに。
悪魔が言うには、僕が死ぬ時に肉体から解き放たれた魂を、悪魔にくれてやるのなら、願い事を何でも一つ、叶えてくれるのだそうだ。
だから頻繁に聞いてくる。『願い事は決まったのか』
そうだな、強いて言うならば、『いきなり上がり込んできて人の家に居座る、悪魔を名乗る不審者に早くでて行ってほしい』かな。
うん、こいつはなかなか良い願い事じゃないか。
だから、そのまま悪魔に伝えてみた。
すると、悪魔は言った
「それは、本当に、お前が一番叶えたい願い事なんだな?」
そして、じぃっと僕の目を見つめてきた。
だから僕は言ってやった。
「そうだよ。なんたってここは、僕の家だ」
じぃ、悪魔は僕を見つめてくる。
だから、僕も負けじと悪魔を見つめ返す。
「嘘だな」
悪魔は言った。
「一度っきりのチャンスなんだ、もっとよく考えろよ。」
そして立ち上がると台所へ向かって行った。
「オイ、腹が減ったからカップ麺もらうぞ」
「いい加減にしてくれよ」
はあ、今度こそ僕は、悪魔より先にため息をついた。