桜の花束
屋上はすっかり雰囲気が悪くなっていた。この小悪魔のせいで...

無表情を保っているつもりだが、これでも私は怒っている(怒)
私がこんな人気者に手をだせると思うか!!まず、ださないわ!!


そんな空気を取り払うように、
「じゃ、俺そろそろ行くから。もう、落とすなよ」
そう言って、橘は屋上から去ろうとした。

「あみを置いていかないでよ〜!!」
亜美さんは橘に付いていきながら、こっちを向いて、口パクで、(バーカ)と言っていた。



...まあ彼女のことは置いておいて!
私は橘から受け取った生徒手帳をもう1度見た。

...なんでわざわざ拾ってくれたんだろ。ほっといてくれていいのに。
────あれ?なんで、ドキドキしてるの?





私はまだ、気づかない。この気持ちに気づくのは、

もう少し先の話。
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