青蝶を包む朱い羽


「おい、女、あいつら殺されたくなかったら、あいつらを裏切れ」


裏切る?

私が莉月達を裏切る?
笑えてくる・・・


「アハハハハハ」

「な、何笑ってんだよ!」


笑っていた私に苛ついたのか
先ほどよりも強く押しつけてきたナイフ。
私はそのナイフを手で掴み取った。


「私が・・・莉月を裏切る?
貴方は馬鹿のようですね?」

「ヒッ」


立場は逆転されたように、
私は倒れた御坂の上に馬乗りし、
ナイフを突きつけた。


「私が莉月を裏切ることはこの先
一生ありませんよ?
人は裏切り、消えていく。そんなものだと
私は思っていた・・・だけど、
莉月が教えてくれた。人には、
そんなことをする奴らばかりではないと、
私は・・・人を裏切る事なんて
絶対にしない!」


私は持っていたナイフを
御坂の横に指した。


真っ青になっているのは
ほっておき、私は立ち上がった。


身体は痣だらけに切り傷まで
あるし、なにより、白のワンピースって、
私には似合わないね・・・


 
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