天国の不動産




”正しいものを選ぶんじゃない、大切なものを選ぶんだよ”




ふと、おばあさんが天国に来るのを待っていたおじいさんの言葉を思い出した。




自分が選んだものが、例え周りを悲しませることになったとしても、それが自分の大切なものとなる。




おじいさんはそう言っていた。




天国で出会った人達の言葉は、生きていた時に聞いていた大人の言葉よりも何故か、深く突き刺さっていた。




こんなにも人の言葉を思い出すこと、今までにあっただろうか。




忘れるってどういうことなのだろう。



思い出せなくなるって、どういうことなのだろう。




天国での出会いが、みんなの言葉が、また僕の考えを振り出しに戻す。





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