天国の不動産
僕は何度これを繰り返すのだろう。
僕が関わった人たちの中から、僕に関わってくれた人たちの中から、何度僕が死ねば、葵を助けられるのだろう。
もしも僕を覚えている人が僕だけになってしまったら、僕は耐えられるのだろうか。
いくら想像しても想像しきれず、結局は世界は何も変わらず回ってしまっていることがとてつもなく怖かった。
「また、生界へ行くのですか?あまりたくさん行くと、悪霊になってしまう恐れがあるので、おすすめは出来ませんが…」
山下が申し訳なさそうに言う。
きっと僕が険しい顔をしていたからだと思う。
鏡で見なくても、自分が今どんな顔をしているのか安易に想像が出来る。