チャリパイ10~産業スパイにご用心~
会長のバンカーショット…
「ここは、大事な所だぞ…」
四井所は、拳を硬く握りしめ緊迫した表情を見せる。
その視線の先には、バンカーに入り神経質に足場を馴らす会長の姿があった。
しばしの沈黙の後、ゆっくりと会長のクラブがアドレスに入る。
「せぇ~の!」
「ヘックショイ!」
「コブちゃん!」
隣りにいたひろきが、慌てて子豚の口を塞ぐが、もう遅い。
四井所が鬼のような顔で子豚達を睨みつけた。
「あっ♪うまく出た♪」
結果オーライである。
「胃が痛い…」
そこからは、子豚は1メートルずつの刻み打ちで、会長が追い付くのを待つ…
「ひろき……今、何打目?」
「8打目?…あれ、9打目だったかな?」
そして、ようやく会長が子豚に追いついた。
「フッフッ♪
見たか!ワシの『タイガーチャージ』」
「会長…これだけの『八百長』に気がつかないなんて……」
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