チャリパイ10~産業スパイにご用心~

会長のバンカーショット…


「ここは、大事な所だぞ…」


四井所は、拳を硬く握りしめ緊迫した表情を見せる。


その視線の先には、バンカーに入り神経質に足場を馴らす会長の姿があった。


しばしの沈黙の後、ゆっくりと会長のクラブがアドレスに入る。



「せぇ~の!」







「ヘックショイ!」


「コブちゃん!」


隣りにいたひろきが、慌てて子豚の口を塞ぐが、もう遅い。


四井所が鬼のような顔で子豚達を睨みつけた。



「あっ♪うまく出た♪」


結果オーライである。


「胃が痛い…」


そこからは、子豚は1メートルずつの刻み打ちで、会長が追い付くのを待つ…


「ひろき……今、何打目?」


「8打目?…あれ、9打目だったかな?」


そして、ようやく会長が子豚に追いついた。


「フッフッ♪
見たか!ワシの『タイガーチャージ』」


「会長…これだけの『八百長』に気がつかないなんて……」


< 15 / 91 >

この作品をシェア

pagetop