チャリパイ10~産業スパイにご用心~
「てぃーださん!宜しくお願いします!」
「おねがいします♪」
祭と娘のあゆみは、てぃーだに向かって深々と頭を下げた。
「こんにちは~あゆみちゃん♪金魚たくさんすくえるように頑張ろうね♪」
「ハ~~イ♪」
あゆみの頭を撫でながら、にっこり微笑んでそう言ったあと、てぃーだの表情は引き締まった。
「何しろ、時間が無いわ!…
まずはアタシが『お手本』を見せますから、二人共よく見ててね」
てぃーだは、金魚すくいの網とお椀を持つと水槽の前に立ち、腕捲りをして水面をじっと睨み付けた。
次の瞬間。
「ハッ!!」
シュン!シュンシュンシュンシュンシュンシュンシュン!
「…とまあ、こんな感じで…」
「えっ・・・・・?」
ほんの4~5秒だったろうか…
気が付いた時には、既にてぃーだの持つお椀の中には十匹近くの金魚が泳いでいた。
「祭さん…今の見えた?」
「いや……速過ぎてまったく……」
「ええええええ~~っ!
何それぇぇぇ~!!」
ティダ・・・
どんだけ~~!!
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