チャリパイ10~産業スパイにご用心~
「さぁ!いよいよ夏祭りのリベンジだよ祭さん」
意気揚々とお祭り広場に姿を現した祭親子とチャリパイの面々は、早速金魚すくいの店を探し始めた。
「え~と、金魚すくいはどこかな…」
辺りをキョロキョロと見回しながら人混みの中を歩いて行くと、何故だろうか出店の中のひとつにお祭り客の黒山の人だかりが出来ている。
「何あれ?…何か珍しい催し物でもやってるのかしら…」
興味を持った祭親子とシチロー達は、その人だかりの方へと近づいて行った。
すると、そこには…
『☆KINGYO
-SUKUI☆』
「なんじゃ~あれは!」
伝統的な金魚すくいの様相とは大きくかけ離れた、ギラギラの電飾看板に流行りのヒップホップのBGM…
そして勿論、その店の中心でリズムにノリながら客の相手をしているのは、あの金太郎であった。
「夏祭りの時は、あんなじゃ無かったんですけどね…」
「それにしても、どうしてこんなに人が集まってるんだ?」
その理由は、すぐにわかった。その店の柱の横に括り付けられた立て札には、こんな事が書かれていた。
『網を破かずに
金魚20匹をすくえたら賞金10万円贈呈☆』
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