チャリパイ10~産業スパイにご用心~

再び、てぃーだは水槽の前に立った。


先程の力みなぎった構えとは違い、今度は肩の力の抜けた直立不動…そして、右腕だけを額の前に持っていき空を見上げていた。


「何だろう?さっきとは違う構えみたいだけど…」


やがて、てぃーだは空に向かって何やら言葉を唱え始めた。



「……海よ…島人の魂よ…ガジュマルの森よ…
我にチカラを与え賜え…」





ゴ…






ゴゴ…








ゴゴゴゴ…





「な…何?この地鳴りみたいな音…?」


遥か遠くから段々とその距離が近付いて来るように、大地を振動させるがごとく低い地鳴りが祭り会場に突如として響き渡った。


水槽の水面が細かい波を立て、金魚達の動きが止まる。




その直後!
てぃーだが大声で叫んだ!




「琉球神拳大漁斬究極奥義!
大山鳴動波~っ!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ……



「あれは…まさか!」


金造のくわえていた煙草が、ポロリと地面に落ちた。


「リャアアア~ッ!!」


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