memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「早く転校生が見たいなら黙る!先生も!毎回答えてたらホームルームが終わりますよ!」


「ご、ごめんね…」


「別に謝ることじゃないですよ。ただ俺はこの騒がしい中、外で待たされる転校生のことを考えただけなので」


私のことを考えて…?


ヤバイ、嬉しいっ。


「高松くんの言う通りですね。転校してきて不安なのに、もっと不安にさせるところでした。そろそろ入ってもらいましょうか。赤澤さん、入って下さい」


きたっ!!


よし、こういう時は深呼吸だっ!


「すぅ…はぁ…」


…うん、だいぶ落ち着いた。


第一印象は大事!


行くんだ、私!


━━ガラッ。


「かわい〜!」


「きゃー!妹にしたいっ!」


おお…なんかいろいろ言われています。


みんなの視線にまた緊張してきた…。


瀬田川先生のところまであと少し。




「…うおっ?!」


のところで、何もないところつまずき、大きな音を立てて転けてしまった。



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